【インタビュー】映画「桃李花歌」主演のぺ・スジ 「『国民の初恋』は乗り越えなければならない壁」 

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アイドルから映画「建築学概論」を通し、女優として鮮やか変身を遂げたmiss Aのぺ・スジ(21)は、「建築学概論」以降、3年ぶりにスクリーンに返り咲いた。スクリーンデビュー作で「国民の初恋」というタイトルを得たぺ・スジが出演する「桃李花歌」(イ・ジョンピル監督)が今話題だ。

「桃李花歌」は1867年、女性はパンソリ(韓国の民族芸能:歌い手と太鼓の伴奏の2人だけで演じる、身振りを伴った一種の語り物)ができなかった時代、時代の流れに逆らい歌い手になる夢を実現しようとした朝鮮初の女流歌い手、チン・チェソン(ぺ・スジ)と彼女を歌い手として育てた師匠、シン・ジェヒョ(リュ・スンリョン)のビハインドストーリーを描いた映画だ。

シナリオ読んだ時に熱いものがこみ上げ

3年ぶりにスクリーンに返り咲いたぺ・スジは「桃李花歌」に登場する女性主人公だ。パンソリを完全に消化し、自分のものにしなければならない、ハードルの高いチン・チェソン役を選ぶという難しい決断を下した。「シナリオを初めて読んだ時からとても演じたかった」。当時、ラブコメやコメディー映画を選ぶという選択肢もあったが、「シナリオを読んだ時に胸の奥から熱いものがこみ上げてくるのを感じた」といい、これが「桃李花歌」に挑戦するきっかけになった。

もちろんパンソリに対するプレッシャーが無かったわけではない。シナリオを読み終えた後、演じてみたくなったが、「パンソリのことがとても心配になった」と不安を抱いた。「パンソリをうまくこなせるか、完璧にこなさなければ」という重いプレッシャーを感じたが、そのプレッシャーをチン・チェソン役に徹することで克服することができた。映画の中のチン・チェソン役が師匠に出会い、少しずつ成長し、自らの限界に挑んでいくチン・チェソン役を演じながら、スジ自身も役に対する自らのプレッシャーを克服した。

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「チン・チェソン役に入り込んで演じたかった。そして、チン・チェソン自身も映画の中で成長していく過程で、最初は未熟だったため、負担を感じず、チン・チェソンのように前向きな心持ちを持つ努力をしました。挑戦するということは、それ自体に意味があると思います」と自信に満ち溢れた表情で語った。

だが、パンソリを習うのは簡単ではなかった。「パンソリを学ぶ過程で幾度となく壁にぶつかった」と告白した。パンソリに関しては初心者だったため、壁にぶつかることも幾度となくあったし、練習中にのどを傷めることもあったという。

練習生時代の気持ちを引き出そうと努力

映画の中でチン・チェソンが女流歌い手に成長していく過程を目の当たりにしながら、スジ自身も感情移入する部分が多かったという。「シナリオを読んだときから感情移入がしやすかった」。チン・チェソン役を演じながら、自身も練習生時代に歌のトレーニングをした頃を思い出すことが多かったという。「チン・チェソンが映画の中で、座り込んで泣き出してしまったりした時に感じた感情は、私が練習生時代に 感じたものに似ている」と過去を振り返るように語った。

「演技というのは作るのでなく自分の内側にあるものをさらけ出すことだと思うんです。チン・チェソンの成長過程を描いたストーリーであるからこそ、練習生時代の気持ちを引き出そうと努力しました」と役作りのポイントを明かした。

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そのためか、映画の中でチン・チェソンが歌手のスジのように、女優ぺ・スジがチン・チェソンのように見えるシーンが多い。これに対し「そう見えるのも無理はありません。チン・チェソンを演じたのが私自身だったためだです」と答えた。自分の性格のうち、チン・チェソンに似ている部分を最大限引き出したためだ。そのため、「チン・チェソン役のメイクをすると、歩き方や口調が変わった」というくらい役にのめり込んで演じた。

今回チン・チェソン役を演じるため、顔にすすを塗ったり、男装をするため付け髭を付けたりと「ルックスをあきらめた演技」に臨んだ。もちろん、すでに作品を選んだ段階で覚悟はしていた。「撮影の初期に顔がむくんでしまったのが気がかりですが、白くきれいな肌でなくてもピュアなイメージを出せたので満足しています」と微笑んだ。

10時間雨に打たれながら声を張り上げ…

何よりもぺ・スジにとって今回の作品は身体的な負担が大きいものだった。映画の中で暴雨の中、トゥグム( 歌い手が音楽的境地に至る状態)のために声を張り上げたり、沈清(シムチョン)が印塘水(インダンス)に身を投げるシーンでは、実際に「沈清歌(シムチョンガ)」を歌いながら水に飛び込むシーンにも挑戦した。

「身体的に辛かったのは暴雨の中、声を張り上げるシーンだった」と振り返る。完璧なシーンにするために、10時間、雨に打たれながら声を張り上げるシーンがあり、「ずっと声を張り上げると頭が痛くて貧血になった感じだった。ずっと逆立ちしてるような感覚で死にそうだった」と当時の状況を説明した。

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身体的に負担の大きい撮影にもかかわらず 彼女が最善を尽くした理由は、真に迫った演技をするためだった。声を作れば観客にもそう伝わることを懸念し、10時間声を張り上げ続けたという。そういった意味で彼女は自分の信念を通す意志の強い女優だといえる。

イ・ジョンピル監督も試写会を終えた後、スジを意志の強い女優であると大絶賛した。これに対し、「一生懸命やっただけです。むしろ昔に比べると今はそうでもないほうです」と謙遜気味に語った。また、「監督が撮影が辛くてもそんな素振りも見せなかったとおっしゃいましたが、遠くにいたのでただ単に見えなかっただけだったと思う」と冗談を飛ばしたりもした。「長時間にわたる、身体的に負担の多い撮影だったから そう言ってくれたんだと思います」と照れ笑いを見せた。

チェソンになりきることに集中しました

パンソリは韓国固有の音楽だが、今まで映画業界でパンソリを題材にする映画はそう多くない。「風の丘を越えて」のようにパンソリを題材とした名作が存在するため、同じ題材を扱った名作映画との比較は避けて通れないからだ。

しかし、ぺ・スジは比較されることにプレッシャーは感じないと言う。「桃李花歌」と「風の丘を越えて」は同じ題材を扱う映画ではあるが、根本的に違うと考えている。また、「風の丘を越えて」を意識するよりも、チン・チェソン役になりきるため監督と多くのコミュニケーションを取ることに集中した。また、「意識すれば自信がなくなりそうだったので、役になりきることに集中しました」と付け加えた。

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誰でも演技者であれば、興行成績に対するプレッシャーを感じるものだ。ぺ・スジも例外ではない。前作「建築学概論」で大きな注目を浴びたため、そのプレッシャーは人一倍だったに違いない。ぺ・スジもこれに対し、もともとプレッシャーはなかったが、前作の人気を受け、それなりのプレッシャーを感じたことを正直に認めている。一方、作品が多くの人の目に止まることも重要だか、この映画がぺ・スジ自身にとって、「何よりも自分の成長に繋がる大切な作品」とした。監督と多くの会話を交え、また演技の先輩である共演者から多くのことを学び、ぺ・スジ自身も成長をした。完璧なシーンを撮りたいという気持ちが撮影だけに集中することを可能にし、さらなる成長の原動力となったようだ。

「パンソリよりも、気持ちが伝わるような演技をする努力をしました。観てくれる人たちにもそんな気持ちが届けばと思います」

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「桃李花歌」のぺ・スジは「建築学概論」での「国民の初恋」のイメージとはほど遠い。自身も「ありがたいタイトルではありますけど、乗り越えなければならない壁でもあります」と語った。今回の作品でも「タイトルにとらわれていては身動きできなくなると思った」とし、イメージに対するプレッシャーを持たないよう努力して撮影に臨んだ。

「建築学概論」に引き続き、2作目の作品「桃李花歌」を通し、今回ぺ・スジはどんなタイトルを得たいのだろうか。これに対し、「実はいろいろ考えた」と明かしたうえで、「国民的な歌い手よりもただのぺ・スジでいたい。今度はタイトルなしで」と笑った。

※インタビュー TVDaily

 

 

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