【インタビュー】日本のガールズグループを初総合プロデュースする勇敢な兄弟「彼女たちの目ヂカラで上がっていけると確信した」

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BIGBANG、AOA、SISTAR、超新星、TEENTOP、AFTERSCHOOLなど数多くの人気アーティストに楽曲を提供し、「ヒット曲製造機」の異名を持つ音楽プロデューサー兼作曲家、勇敢な兄弟(ヨンガンマンヒョンジェ)。K-POPファンであればその名を知らない人はいないほどの超有名プロデューサーである彼がこのほど、初めて日本のガールズグループの総合プロデュースを手掛けた。応募総数5800人の中から選ばれたHIKARU、MIYU、NENE、SAYURI、LENAの5人で構成されたCHERRSEEで、5月25日に「Mystery」でデビューを果たす。K-POP屈指のヒットメーカーが、目ヂカラに惚れ込んだCHERRSEEの魅力や可能性を語ってくれた。

 

 

5800人の中から選抜した5人

――CHERRSEEの5人は応募総数5800人の中から選ばれたと聞きましたが

「そうですね。実は当初はこの5人のほかに追加メンバーもいたので、もっと人数が多かったんですよ。7人組で行くか、8人組で行くか、今のような5人組にするのかというのもわからないような状況だったんですよ。最後まで辛いレッスンを乗り越えて残ったのがこの5人のメンバーです」

――レッスンは韓国で行ったそうですね。

「はい。韓国に来てレッスンを受ける中で、ついてこれずに日本へ帰された子もいたんです。正直言って、最初のうちは実力はぜんぜんなかったんですよ。厳しいレッスンをしながら、磨かれていったわけですが、残ったこの5人は早くから変化が見られた子たちでした。彼女たちと出会った時は、メンバー自身、自分たちがまだまだヒヨッコであることをわかっていたので、正直、ちょっとビビってたと思います。ただ彼女たちは『これから絶対に成功するぞ!』という目をしていました」

――目ヂカラで彼女たちのポテンシャルを見抜いたんですね

「僕自身、韓国のアーティストのプロデュースをたくさん行ってきて、いろんなアーティストと接してきたからわかるのですが、CHERRSEEのメンバーは目ヂカラで、努力して成功したいという切実な欲求がすごい伝わったんですよ。その目を見た時に狂ったように練習させて、努力を重ねれば、上がっていけるなと確信しましたね。実際、この5人は、僕自身が頭に描いたことを要求しても必ずついてきてくれました」

――勇敢な兄弟さんは新人を手がけることに面白みを感じてらっしゃるそうですが、新人磨きの面白さってなんですか?

「これからデビューを控えた新人アーティストは、いろんな絵を描けますし、たくさんの色をつけることができるので、それが楽しいです」

――CHERRSEEに関してはどういう絵を描きましたか?

「決められた一つの色で動くわけではなく、今はスケッチだけされているグループなんですね。どういう絵でどういう色を塗るのかというところで絵も変わってきますよね。人物画を描くとしたら髪の毛があって、目を描いて鼻を描く人もいると思いますが、洋服のボタンから描く人もいると思うんです。顔を最後に描く人もいるかもしれない。CHERRSEEの場合は、下から描いていくような感じになると思います」

――それは、まずレッスンをたくさんして、土台を作っていくというようなことですか?

「そうですね。韓国でのレッスンは半年以上あったんですけど、基礎はすべてやらせました。まず運動から始まって、ヴォーカルレッスン、ダンスレッスン、自由時間もすべてダンスのレッスンをやっていますし、ウォーキングのレッスンもあります。それを明け方までやるんですよ。その練習の最中にはたくさん泣いてましたし、怒られましたね。その経験を経ていよいよデビューするところまで上がってきたわけですからね。最初に韓国に来た時と比べたら、今のようなパフォーマンスができるなんて、想像もできないと思うんですよ」

――レッスン期間中で一番印象に残っていることはなんですか?

「一つの振り付けを彼女たちに渡したら、最初の頃は、一人は小さく踊ったり、一人は大きく踊ったり、バラバラでした。グループとしてみたらそれは最悪なことなんですね。才能があるメンバーはそれを抑えて周りに合わせなければならないし、才能がない人はそれを伸ばさなきゃいけないし、バランスを合わせなければいけないし、それが一番大変だったところですね」

――グループとしてまとまるようになったのはいつくらいですか?

「韓国に来て、半年の間、レッスンしている期間、ずっとかかったと思います。グループとしてまとまるようなレッスンを毎日していましたからね。一つのグループに見えるようにまとめるのが大変でした。メンバー同士がライバルという側面もあると思いますが、その中で、目立とうとして一人が上手く見せようとしちゃうと、チームとしては成り立たないですからね。もちろん、一人一人が実力を伸ばすことに関して貪欲にやりたいところでもあるんですが。まずはチームなので、誰かがよくできていたとしても、その子だけを褒めるようなことはしません」

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――なるほど。一人を褒めるとチームワークが損なわれる可能性を引き起こすから、全員平等に扱うことがチーム力を高めていくことでもあるんですね

「そうです。もしうまい人が一人いたとしてもプロデューサーは胸の内にとどめておくだけです。そこで、褒めちゃうと、褒められなかった子が、褒められた子がやったようなことしかやらなくなっちゃうんですよ。そうすると伸びないですからね。それは僕自身がたくさんのグループを育ててきて感じたことなんです。怒る時は全員一緒に怒らなきゃならないし、褒める時も全員一緒に褒める。チームワークが一番大事なことなんですよ」

大事な時間を無駄にするな!

――修行中、メンバーに繰り返し言ったことってなんですか?

「『狂ったように努力』。どっちにしろやらなきゃいけない努力ですし、大事な時間を無駄にするなと言いました」

――この5人それぞれの魅力を聞かせてもらえますか?

「MIYUはダンスが伸びましたし、SAYURIはタレント性があります。最初は表情も固まってたのに、すごく良くなったんですよ。LENAは声のトーンがいいですね。ラップもできて、メロディーのあるものも得意です。HIKARUとNENEはサブヴォーカルでもメインでも力を発揮できるでしょうね。今はメインが誰で、サブが誰っていうことを決めずに、すべてのメンバーがヴォーカルをこなせるという前提でレッスンをしています。グループとしての色を探している最中と言えばいいでしょうか。2NE1を例に出すと、BOMがメインヴォーカルですが、曲によってはCLがメインを務めることもあります。CHERRSEEの場合も、曲の特性によってメンバーの役割が変わっても大丈夫ようなようにレッスンをしている最中です」

――曲によっても色が変わるグループになるかもしれないわけですね。

「そうなんです。だから、面白いグループになると思うんです。メンバーそれぞれに個性があって似ているメンバーがいないことが魅力でもあります。トーンがまったく違うんですよ。カメレオンのように変化して、常に世の中の人が気になるようなグループであればと思います。常に発展して、いつも挑戦して、想像もつかないようなことができるグループにしたいですね」

――「Mystery」を聴かせていただきましたが、聴いていてもメンバー各々の声が全然違うタイプなので、このメンバーがメインで歌うならこういうジャンルがいいんじゃないかとか、メンバーによって楽曲のジャンルまでも変わるような、それくらい声に違いがありますよね。曲調としてはゆったりとしたポップスですけど、メンバーの声でどんどん表情が変わりますね」

「そうですね。高音がいいメンバー、低音がいいメンバー、それぞれいますし、バースとサビ、パートごとに誰をどう配置するかで音楽は変わってきますね。この曲は、それがよく分配された曲だと思います。バランスがちゃんと合った曲ですね」

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音楽にも強いインパクトが必要

――最初のシングルということで「Mystery」で表現したかったのはどんなことでしたか?

「この曲がどう生まれたかと言いますと、映画を観ると終わってから余韻が残る映画って、あとでまた『楽しかったな』って思えるじゃないですか。音楽でもそれを表現したいと思いました。でも、映画は2時間~3時間の尺ですよね。音楽は3分、長くても4分。短い音楽を聴いて記憶に残るものがないのであれば、そのグループのことすら記憶できないと思うんです。映画が終わってから余韻が残るように、音楽にも強いインパクトが必要ですよね。例えば歌詞に出てくる単語やメロディー。この曲ではタイトルにもなっている、『♪Mystery Mystery~』のところが余韻として残ったらいいなと思って作りました。これって中毒性だと思うんですよね」

――はい。まさに、この「♪Mystery Mystery~」のところは中毒性を感じました

「100回中100回それが余韻として残ると「よくできたなぁ」と思うんです。こういうメロディーやアイデアを出すのが大変なんですけどね。この曲にはそういう中毒性が詰め込まれた曲になっています。1~2回聴いたら、「♪Mystery Mystery~」のところが耳に残ると思うんですけど。

――この部分を聴いたら、CHERRSEEを思い出すような楽曲を作りたいなと思ったわけですね。

「うん。CHERRSEEだけの曲にならないと。実はこの曲の構成は日本にはあまりないスタイルなんです。実はサビが2つあるんですね」

――聴いているとずっとサビを聴いているような感覚になります

「うん。♪Hey Mr.Mystery~のところが1サビで、♪Mystery Mystery~が2サビですね」

――「Mystery」に載せたかったメッセージは?

「この曲は、僕が描いた歌詞を日本語として直したものなんですよ。明るくて軽快な曲なんですけど、この曲の女性の気持ちを代弁するとちょっと傷心してるんです。そういう気持ちをかわいさの中にちょっと溶かしています」

――女心をわかってらっしゃる(笑)

「韓国でも女性グループのヒットソングを手がけていますが、全部僕が作詞してるんですよ。女心を描く時は想像力を働かせることも多いし、経験談、そういうものを文字に起こしています」

多くの色を見せられるグループ

――カップリングの「Rose」はどんな曲ですか?

「ミディアムR&Bですね。『Mystery』ともまた違う曲調です。この曲を色で表すと『赤』ですね。聴くことに徹した音楽かもしれないです。『Mystery』はパフォーマンスと記憶に残るということが音楽のコンセプトだとしたら、『Rose』は、聴いたらメロディーが入ってくるというようなタイプの曲だと思います。お酒を一杯飲みながら聴くにもいいですよ。最初のシングルですし、CHERRSEEの他の可能性を見せたいということで色を分けたんですね」

――勇敢な兄弟さんはヒップトロニカというジャンルを確立されて、その後もご自身ならではのサウンドを作ろうとしているのを感じるんですが、CHERRSEEでも試してみたいことはありますか?

「ありますね。この子たち自体が多くの色を見せられるようなグループだと思っているので。いきなりギターを持って登場するかもしれないですし、コンセプトに合うように鍛錬して練習するグループにしようと思っています。いろんなジャンルを昇華できるようなグループとして活躍できるように楽曲も作っていますし、彼女たちの実力も磨いている真っ最中ですね」

カン・ドンチョル (1)_R

――日本のアーティストをプロデュースするのは初めてですが、やり方は違いますか?

「プロデュースの方法は同じです。メンバーが違うだけですね」

――日本のガールズグループということで、日本のマーケットを意識しますか?

「特にないですね。そういうことを意識したら、この子たちを僕ばプロデュースする理由がないと思います。日本にもたくさんのプロデューサーがいますし、日本には可愛い音楽が多いので、AKB48のようなスタイルにしたいなら、彼女たちを手がけているプロデューサーにお願いしたらいいという話ですから。僕は、既存の日本のスタイルとは違う色をかぶせたいと思っているので、これがうまくいった時は、この子たちは、他の日本のグループとは違う絵になっていると思います。僕にとって中間というのはないんですよ。大当たりか全然ダメか(笑)」

――勇敢な兄弟流、Brave Soundでやっていくということですよね

「はい、そういうことですね」

――勇敢な兄弟さんは、日本のアイドルの動画をチェックしたりすることはあるんですか?

「全然やらないですね。見ることは見ますけど研究目的で見ることはないです。普通に情報として見るだけですね。だから、この子たちもそういう日本の他のチームを見て研究しながら作ったグループではないです。むしろ、他のグループの子たちがこの子たちを見て、不思議に思うかもしれないですね」

――違うから?

「そうです。『Mystery』はヒップホップのクラブで流れても合うと思います」

――ちょっと話は変わるんですが、勇敢な兄弟さんがヒップトロニカを思いついたのは日本のクラブでエレクトロニカを聴いたことがきっかけだったそうですね

「はい、そうですね」

――他にもジャンル問わず、いろんな音楽を融合させていますよね。今、興味のある音楽ってなんなんですか?

「すべての音楽に関心があります。音楽というのはメロディーが常によくなくてはならない。そうであると大衆の耳に入ってくる。大衆に対して新鮮さをアピールするとしたら編曲が重要になってきます。このメロディーがいいメロディーだとしたら、そこに編曲が重なってきて良い音楽が作れるんですね。僕の中では常にロックとヒップホップというのがあるんですけど、ほとんどの音楽がロックからスタートしていると思うんですけど、そういうのって編曲によって変わりますよね」

アイデアは音楽を聴くことから

――アイデアはどんな時に浮かびますか?

「常に考えていますね。ジャンルの区分をつけずにずっと音楽を聴いているので。バラードも聴きますし、ロックも聴きますし、音楽はすべていいと思っているので、どんな音楽でも受け入れられるんですよ。この曲とこの曲を合わせたら、面白いだろうなとか。すべてのアイデアは、いろんな音楽を聴くことから生まれますね」

――考え方がすごくDJ的なんですね

「僕は刺激的な音楽が好きなんですよ。その中でも僕のルーツはヒップホップなんです。サイプレス・ヒルの曲を聴いたときに、彼らの魅力にハマって音楽に目覚めたんですね。心臓を叩かれているような衝撃を受けたんですね。サウンドはもちろんですけど、歌詞にも。あとはブラックミュージックも好きでした。そういう自分が通ってきた音楽に大衆性を持たせていくことが好きですね」

――サイプレス・ヒルを聴いて勇敢な兄弟さんが衝撃を受けたように、ご自身が関わった作品を聴いた人にも衝撃を与えたいと思いながら音楽を作っているんですか?

「それはちょっと違いますね。自分が手がけた音楽には、メロディーラインや歌詞、どこかにメッセージ性が常に込められているんです。ビートはすごく盛り上がるんですけど、そこに乗っているメロディと歌詞を聴いてみたら、『この曲は盛り上がるだけじゃないんだな』と思えると思うんです。何かメッセージが聴こえてくるから。サウンドだけじゃなく、メッセージを伝える歌詞、すべて聴いてくれることを望んでいます」

CHERRSEE『Mystery』通常版_R

CHERRSEE『Mystery』初回限定版_R

 

CHERRSEEが5月23日&25日にリリースイベント開催

■…CHERRSEEは5月23日午後5時から東京・ららぽーと豊洲、同25日午後5時から大阪・千里セルシーでリリースイベント(無料)を開催する。

 

 

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