【インタビュー】チャン・ヒョク、20年後の役者像は「競馬場で走る馬よりも広い草原を自由に駆け回る馬でいたい」

ドラマ「客主」「運命のように君を愛してる」などの作品で日本でも根強い人気を誇るトップスター、チャン・ヒョク(40)が主演したヒーリング・ラブストーリー「ビューティフル・マインド~愛が起こした奇跡~」のDVDがNBCユニバーサル・エンターテイメントより好評リリース中だ。本作は、大ヒットドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」の脚本家キム・テヒが、「トキメキ〜」以来6年ぶりに脚本を執筆。細部までこだわり抜いたキム作家の筆致が随所で発揮され、クオリティの高いシナリオが完成した。その緻密な脚本に惚れ込み、演出を手がけたのは、瞬間最高視聴率51.4%を叩き出したヒット作「笑ってトンへ」のモ・ワンイル。最強の脚本家×演出家ドリームチームにより、チャン・ヒョク演じる他人に共感できない天才医師が、愛の存在を知ることで人して大切なものを手に入れていく奇跡のヒーリング・ラブロマンスは必見だ。そんなチャン・ヒョクのインタビューが到着した!

典型的キャラクターから抜け出せた

––このドラマに出演した感想は?
「最初にドラマのシナリオを読んだ時、特殊なキャラクターだと感じました。主人公は前頭葉障害により感情を感じられません。医師という仕事を通し、自らを取り戻していく姿をどう演じようかと、好奇心が湧きました。『シザーハンズ』に少しイメージが似ています。感情をうまく表現できないばかりに人々の誤解を招いてしまうんです。その結果孤独に生きることになってしまった人物が、大切な人と出会って変わっていく、そういう設定が面白くて出演を決めました」

––主人公イ・ヨンオ役について簡単に紹介してください
「ヨンオは子供の頃に受けた手術のミスや心理的なトラウマのせいで、前頭葉に異常が生じてしまい、感情を感じられないのですが、普通の人間になりたいと願う人物です。“感情を持ち、周りの人々と心を通わせたい”そう望みながらも共感する能力がないため孤立してしまっています。そんなアウトサイダーですが技術的には非常に優秀で、まるで機械のような医師です」

––ヨンオというキャラクターの魅力は?
「無感情な人物だからこそ淡泊に演じられました。大げさな感情表現はしませんでしたね。設定自体が極端な感じだったこともあって、典型的なキャラクターから抜け出せました。ですが視聴者が共感できてこそヨンオの魅力となると思ったので、どうやって表現するかが難しかったですね」

––演技の参考にした作品やキャラクターは?
「特に1つの作品ということはないですね。以前『依頼人』という作品でサイコパスの要素を持つ人物を演じたので、その時に勉強のために本を何冊か読みました。それから医師役は『ありがとうございます』でも経験があります。今回は殺人犯の役ではなく、殺人を犯したかもしれない容疑者であって、実際の加害者ではないんです。例えば純粋さの部分は『シザーハンズ』を参考にしましたね。もともと このドラマのタイトル案が『フランケンシュタイン』だったんです。そういう要素では『ウォーム・ボディーズ』も共通していますよね。SFではありませんが、異質な要素を持つ医師が人々と出会い 変わっていくストーリーなので、複数の作品から少しずつ参考にしました。また、神経外科医の役なので専門家にアドバイスをもらったりしながらいろいろ準備しました」

医師ではなく人間を表現したかった

––多くの作品を参考にした分、いい演技が出来ましたか?
「医師ではなく人間を表現したかったんです。医師はキャラクターを説明するための背景的な要素にすぎません。ヨンオが特別な人と出会った時に、どんなリアクションや対応をするか。それから感情が芽生えたと思い込むシーンや、信じる人に裏切られたシーンなども、普通の人とは違う表現が求められます。そういう部分の演技を重視しました」

––パク・ソダムさんの第一印象と共演した感想は?
「ソダムさんの第一印象は素朴な感じですね。脚本家の先生のお宅で初めて台本の読み合わせをした時にお会いしました。撮影前に準備すべきことなどについていろいろ質問する様子を見て、情熱を感じましたね。また、最初、ヨンオはジンソンと対立しますが、次第に彼女に興味を抱いていくようになります。その分、リアクションも多様で複雑でしたが、ソダムさんが積極的に監督や僕の意見を聞きながらうまく合わせようとしてくれました」

––撮影中、記憶に残るエピソードは?
「ほとんど病院内での撮影で、序盤は胸ぐらをつかむシーンばかりでしたね。会うたびに彼女の首に手をかけてました(笑)。そんなキャラじゃないのに(笑)。シリアスなシーンですが、撮影中はまた次のシーンも胸ぐらをつかむのかと思うとおかしくて」

––そのシーンではNGは多かったですか?
「NGを出さないよう努力しました。つかむ側もつかまれる側も大変ですからね。つかむフリでもいいですが本気でやらないとふざけてるように見えるので、早く終わるよう集中して演じましたね」

––共感性が欠如した役ですが、恋愛のシーンは難しかったですか?
「その点は『シザーハンズ』に似てますね。ファンタジックだと思います。感情を感じられない人間と感情を持った普通の人間の交流ですからね。例えば感情を表現するのに脈を測りながら、“通常 脈拍は1分に何回だが今の僕はもっと多い”“だから君を好きみたいだ”ヨンオはそんなふうに普通とは違った言い方で表現するんです。感情ではなく数値的な言葉で相手に物事を伝えます。ヨンオのそんな表現を、相手も受け止めるうちにコミュニケーションが成り立つ、そういう恋愛ですね」

––ジンソンとのキスシーンのエピソードは?
「僕は不意打ちでキスされる側なので…やられましたね(笑)。される側は初めてかも」

キスされる側は初…やられましたね

––キスされる演技は初めてですか?どんな気分でしたか?
「ええ、初めてでした(笑)。キスシーン自体は今まで何度も経験があるので、特別という感じではありませんが、ヨンオの場合はリアクションが妙ですね。今までずっと人と距離を置いてきたのに、突然その距離を飛び越え、身体的に接近されたのでエラーが出た感じです。論理的で数学的なコンピューターがエラーで固まってしまった状態ですね」

––ホ・ジュノさんと共演した感想は?
「『火山高』という映画でホ・ジュノさんと出会い、十数年ぶりに再会しました。あの頃より魅力的で淡泊なイメージになりましたね。あの当時も今も、撮影現場で後輩たちにいいアドバイスをくださいます。それから、年を重ねたせいか温かみが増しました。演技の面でもね。以前は妥協しないイメージでしたが、今はすこし丸くなったように思います」

––ジュノさんから変化を指摘されたことは?
「“魅力的になった”と。個人的にとてもうれしい言葉ですね」

––2人で演じたときのエピソードは?
「ジュノさんとは対立シーンばかりで、笑顔のシーンがありませんでした。ふだんは笑いながらしゃべっているのに、撮影に入った途端笑顔を消して見つめ合うのが面白かったですね(笑)」

––「火山高」以降、親交はありましたか?
「『火山高』以来久しぶりに会いました。僕もジュノさんもそれぞれ忙しくて、偶然会うこともなくて。十数年ぶりに読み合わせの場で会いましたが、全然変わりませんでした。もちろん、性格的には丸くなりましたが、冗談を言ったり助言をくれたりするところは同じです」

演じた時間はすべて成長につながる

––ドラマ全体を通して一番気に入っているシーンは?
「初めて涙を流した時ですね。患者のメッセージを聞き、涙を流した瞬間がヨンオの感情が最も表れたシーンでしたね。初めて本物の涙を流し自分の感情を感じたんです。自分でも気づかないうちにせきを切ったように涙があふれだす…一度きりの涙でしたが、最も印象的なシーンでした」

––泣く演技は難しくなかったですか?
「役の感情をうまくつかめれば涙は流せますね。一度はヨンオが泣くシーンがあればいいと思ってました。何度も泣くより、ずっと耐えてきた思いが一気にあふれだす涙のほうが価値があります」

––皆さんにお薦めのポイントやシーンは?
「医療ドラマですが、新しい形の作品にしたくて脚本家や監督俳優たちでいろいろと工夫しました。温かさの中にシニカルさがあります。主人公がシニカルですからね。無感情なヨンオが温かさを取り戻す過程が段階的に描かれています。それから病院で連続殺人事件が起こり、その謎に迫るというミステリーの要素もある。スリラーのジャンルにヒューマニズムを合わせたドラマですね。またラブコメとまではいきませんが、おとぎ話のようなロマンスも入っています。そういう部分が楽しめるポイントだと思います」

––NGを連発したシーン、楽しかったシーンを教えてください
「どのシーンも難しかったですね。俳優はもともと表現したがるものでしょう? でもヨンオ役の場合、逆に表現しないほど人の好奇心をかきたてるので、演じたい気持ちをセーブするのに苦労しました。逆に言えば表現を抑えることでヨンオの淡泊さが引き立つので、いつもより動作による表現が少なくて済みました。そういう意味ではやりやすかったですね。それから冗談みたいな話ですが、神経外科の手術シーンは胸部外科よりも手術範囲が狭いため、撮影は不可能なので、具体的な手術箇所は画面に映っているだけなんです。その点でも胸部外科医の役より楽でしたね」

––チャン・ヒョクさんにとってこのドラマはどんな作品ですか?
「この『ビューティフル・マインド~愛が起こした奇跡~』はシナリオを読みながら楽しく撮影できました。なかなか巡り合えない変わったキャラクターを演じることのできた楽しい時間でしたね」

––このドラマを通して成長できたと思う点は?
「どの作品も同じですね。どんな作品からでも影響は受けます。その影響はすぐ現れるかもしれないし、ずっと後の作品に現れるかもしれません。いずれにしろ、役を演じた時間はすべて成長につながります。人生も同じですよね。1歳から2歳 10歳から20歳と年を取るにつれ物事を別の視点から見られるようになります。この作品でも成長できましたね」

––20年後、どんな俳優になっていると思いますか?
「わかりませんが、努力し続ければ結果が出ると思います。目標を立てるより自分のペースで…競馬場で走る馬よりも広い草原を自由に駆け回る馬でいたい、そう思いますね」

––最後に一言
「『ビューティフル・マインド~愛が起こした奇跡~』」という医療ファンタジーのドラマを皆さんにお届けします。ファンタジーというのは医療的な部分ではなくキャラクターの設定です。ヨンオは共感性が欠如したキャラクターですからね。連続殺人事件のミステリーと医療のヒューマニズム、孤独な天才医師イ・ヨンオが人々と織りなす物語にぜひご期待ください。監督や脚本家、俳優が一丸となり楽しんで撮影した作品なので、そのエネルギーをお届けできればと思っています。皆さんの健康と幸せを願っています」

Story 他人の気持ちに共感できず、生まれてから一度も心から笑ったり、泣いたりしたことがない孤独な天才医師ヨンオ(チャン・ヒョク)。長期留学を終えた彼は、ヒョンソン病院神経外科の助教授に就任する。ある日、ヨンオの元にひき逃げ事故に遭った患者が搬送されるが、回復の望みはないと判断したヨンオは手術を拒否。その患者の付き添いで居合わせた女性警官ジンソン(パク・ソダム)は、早急に手術をするよう彼に要求するが…。その日の不審な事故を機に、医者として、警官として真相を探るべく、2人は協力し合うことに。やがて彼女の真っすぐな心を知るにつれて、今まで人に無関心だったヨンオの心に変化が生まれていく。

「ビューティフル・マインド~愛が起こした奇跡~」
DVD-SET1&DVD-SET2  好評発売中
各\15200+税  ※レンタル同時リリース中
発売・販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
Licensed by KBS Media Ltd. ⓒ 2016 KBS All rights reserved
公式サイト:http://kandera.jp/sp/beautifulmind/
予告編:https://youtu.be/4VLXHhwRX_w

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